企業名:株式会社豊島屋本店
代表取締役:吉村俊之(第十六代目)
創業年 西暦(和暦):1596年(慶長元年)
沿革・創業者
家訓・経営理念など
豊島屋は、居酒屋のルーツ。豊島屋本店は、神田鎌倉河岸(現在の神田橋付近)で、初代豊島屋十右衛門が酒鋪兼立飲み居酒屋を始めたのが起源。当時江戸城普請に関わる多くの職人を対象に下り酒を安価で提供した。十右衛門が白酒の醸造を始めたところ江戸中の評判となり白酒の元祖として知られる。お雛様に白酒を供える習慣がここから始まったと言われている。以来お酒一筋であるが、明治期には武家から離れて蕎麦屋に販路を見出して苦境を乗り越えてきた。
2020年7月には創業の地に「江戸東京モダン」をコンセプトに立ち飲み居酒屋を再現した。
事業内容
特長と強みなど
「不易流行」の実践。創業以来、「お酒」を基盤として、「お客様第一、信用第一」と言う口伝の家訓を守ってきた。経営理念は、「上質な酒と食品を通じてお客様に価値を提供し、食文化の発展に貢献する」ことです。行動指針として、「不易流行」を掲げ、守るべきもの(不易)は頑なに守り、変えるべきもの(流行)は大胆に変える、としています。
特筆事項
酒の歴史をたどれば神々の時代まで遡る。酒は神に捧げられていた!豊島屋が造る「金婚」は明治神宮、神田明神の御神酒になっています。これは戦時中、酒の調達が難しかった時期に豊島屋が酒をきらさず奉納したことが認められ、今日でも唯一の御神酒に指定されているのだそうです。吉村社長は、日本酒の可能性を広げるべく、和食を超えて、フレンチ、中華、イタリアンを始め世界各国の料理と日本酒のマリアージュを楽しむ「金婚会」というイベントを実施し、着実に日本酒ファンを広げています。
まとめ
創業から420年余、幾多の経営危機を乗り越えてきた。日本酒の国内出荷量は、ピーク時に170万㎘を超えていたが、他のアルコール飲料との競合などにより60万㎘を割り込む水準にまで減少しているという。そんな中、消費者志向が量から質へと変化し、吟醸酒や純米酒の需要は堅調である。また日本酒の輸出量は日本食ブーム等を背景に増加傾向にある。豊島屋では、「金婚」や東京産の米、江戸酵母、東京の地下水で製造された「江戸酒王子」など、特定名称酒を中心に国内外に積極的に営業展開をしていく。